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この業界の人は、文房具や電卓など、仕事で使う小物にこだわる人が結構います。このこだわりは、受験生時代に培われるものがほとんどで、かなりの割合の人が、受験生のとき、とりわけ「試験のときに使った」もの(と同種のもの)を、今でも使い続けているものが、何かしらあるのではないかと思います。
そんな小物の中でもこだわりの深いものは、1に電卓、2にポールペン、3に修正液(または修正テープ)、4に蛍光ペン、でしょう。このなかで、2と3は、合格して仕事を始めると使わなくなります。というのは、試験ではボールペンまたは万年筆で答案を作成することが求められていますが、仕事ではほとんどが鉛筆書きになるからです。なので、3は使わなくなり、2は、使っていたボールペンと同じメーカー・同じタイプのシャーペンを求めて、それを使うようになります。
私の場合、電卓は受験のとき(今は無き三次試験)に使ったものをそのまま使っていたのですが、床に落としたおかげで周囲のラバーが外れかけ、液晶部分にゴミのような余計な表示が浮き出てきて、数値が見にくくなってしまいました。1年くらいだましだまし使っていたのですが、だんだん我慢できなくなってきて、新しいのを買おうと決心しました。
それから、家電量販店など、電卓がありそうな店に行くたびにチェックするのですが、私が使っている機種が置いてないのです。なんで売ってないんだろうなあと思い、メーカーのサイトを見てみると。。。見当たらない。んー製造中止になっちゃったのかなあ。
そこで、メーカー名と機種番号を頼りにネットで検索しまくったところ、次のような事実が判明しました。
・日商簿記の検定試験に持ち込み可能な電卓は、四則演算機能のみのものに限る旨の指定がある。
・メーカーが受験用に推奨していた機種(=私が使っている機種)に日付計算機能がついていたが、条件に合わないおそれがあるということで、生産を中止した。
・それに代わり、日付計算機能を除いた機種を新たに生産を開始した。
・日付計算機能を除いていない機種も、新たな機種番号で生産を開始した。
とまあ、こんな感じでした。
というわけで、再びメーカーのサイトで機種番号を確かめつつ、メーカーに直電して聞いてみました。
「えー、電卓についてお聞きしたいんですが」
「どのようなことでしょうか?」
「EL-G36という機種がほしいんですが、なんだか店で見当たらないのですけど、どこで売ってるんでしょうか?」
「あの、この機種は学校用でございまして、一般には販売されていないと思います」
え?・・・そうなの?・・・
「じゃ、直接お宅から買いたいんですけど、どういう手続きしたらいいですか?」
「大変申し訳ございませんが、弊社はメーカーでございますので、直販はいたしておりません」
え?・・・なんで?・・・
「えーと、この機種がほしいんですけど、それじゃどうしたら買えるんですか?」(ややキレ気味)
「申し訳ございません、ここはメーカーのサポートセンターですので、販売経路までは分かりかねます」
「じゃあどうやっても買えないの?」(キレ度合い上昇)
「はあ、申し訳ございませんが・・・」
そこでふと思いました。今持ってるこれは、TACで買ったんだっけ。そうかTACも学校だった。
「そうですかわかりました。お手数をおかけしました失礼します」(キレ解消)
というわけで、TACのサイトを覗いたところ、ありましたありました。何のことはない、通販までやっていました。これで無事入手、と相成りました。めでたしめでたし。
と、ここまで書いてみて思ったのですが、二つほど疑問点があります。
1.これだけの人気機種(ウチに来てる会計士さんたちもみんなこれ)なのに、「学校用だから一般には売らない」というのは、自ら売上を絞っているようなものではないか。なぜ販売先を限定するのか?
2.「メーカーだから直販できない」のはなぜか?
これについては、メーカーに質問してみようと思います。回答が来ましたらお知らせします。お願いしますよシャープさん!
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2 時間前
2 件のコメント:
はじめまして
わかりやすい文章でいつも楽しく読ませていただいております
さて、疑問に感じておられる以下の2点について
>1.これだけの人気機種(ウチに来てる会計士さんたちもみんなこれ)なのに、「学校用だから一般には売らない」というのは、自ら売上を絞っているようなものではないか。なぜ販売先を限定するのか?
>2.「メーカーだから直販できない」のはなぜか?
別々に回答するのはちょっと難しいので混ぜ込んだ感じで
要は「作る係」と「売る係」を完全に分離させたいという考えからでしょう
欲しいって人が居るのだからメーカで直接売って欲しい
という消費者の気持ちはメーカも気付いていると思います
その気持ちを無視することはメーカにとっては機会損失ですが、それ以上に販売管理の手間賃の方が上回るということでしょう
小売は売って終了、ということはありません
使い方がわからなければ販売元に問い合わせるかもしれませんし、売り物に初期不良や不具合があれば販売元にクレームを言うこともありますし、物流の経路も確保しないといけない、商品に入れ替わりがあればまたそれに合わせて色々調整するなど、月に何個売れるかわからない商品のためにたくさんの準備をするのは骨が折れます
その骨が折れる部分を量販店などが担ってくれます
(其の分販売価格に上乗せされちゃうわけですが)
SHARP様の場合は能率的ナ販売方法を考えた結果、直販はやめようという経営判断を下したのでしょう
消費者が振り回されるのは納得イカンと思われるかもしれませんが、他の親切なメーカを選ぶ権利もありますので、そういうメーカの製品を選ぶこともできるのです
個人的な感想では家電量販店の通販サイトぐらいには載せてもよさそうですが、WEBでこの商品を検索しても会計士や税理士およびそれを目指している方々の感想以外出てまいりません
いわゆるニッチ市場の商品に該当するでしょう
今回のような商品はそれを求める人が集まるところでまとめて取り扱ってもらった方が捌けやすいので、専門学校のみに流通させているのでしょう
ニーズが広がればいろんなところで売るようになるかもしれませんね
以上、長くなってしまいましたがたぶんこんな理由ではないかと思います
SHARP様からご回答がありましたら、それもまた見てみたいので教えてくださいね
ではごきげんよう
コメントありがとうございます。
この件については、comepanさんのおっしゃるとおりの結果であろうと思います。
実はこの話、実際には約半年ほど前のことでして、今では状況が若干変わっているようです。それも含めて、comepanさんへのご回答に当たるものは、次回以降のエントリーにて、としたいと思います。
それでは、これからもよろしくお願いします。
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