2009年2月8日日曜日

三菱UFJ、奇策で黒字 保有株の簿価変更で損失抑制

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さて、日曜日だし、なんか書こうかな、と思ってネットニュースを見てみたところ、なんだか得体の知れない変なニュースを見つけてしまいました。これは一体何でしょう?

“三菱UFJ、奇策で黒字 保有株の簿価変更で損失抑制”

報道を要約すると、三菱UFJフィナンシャル・グループ2009年3月期の業績予想が赤字転落を免れたのは、保有株式の取得原価を従来より低いものに変更し、減損損失額が減少したためである、ということです。

。。。えーと。まったく意味がわかりませんね。ちょっと報道の本文を引用してみます。

従来、株式の簿価は三菱東京UFJ銀行が発足した06年1月の株価を基準にしていたが、これを持ち株会社の三菱UFJが発足した05年10月に変更。この間に株価が上がったため、簿価の切り替えによって減損処理額が約750億円圧縮できたという。


文中、「簿価」とあるのは「取得原価」の誤りであると思われます(それはそれで、この記者は大丈夫か?とは思いますが、それはまた次の機会に)。で、取得原価を変更するって一体どういうことなの???なわけです。普通はありえない話です。

そこで、三菱UFJフィナンシャル・グループのサイトから沿革を覗いてみましたところ、確かに、三菱UFJフィナンシャル・グループの発足は2005年10月となっており、その子会社に当たる三菱東京UFJ銀行の発足は、その4ヶ月あとの2006年1月になっています。これらの会社は、三菱東京フィナンシャル・グループとUFJグループの合併により発足したものですが、何らかの事情により、その子会社に当たる銀行の合併が、持ち株会社の合併から4ヶ月遅れた、ということになります。どうやらこのあたりに何らかのからくりがあるようです。

これと報道文とを照らし合わせますと、合併に当たって新会社が受け入れた保有有価証券の取得原価を、当初は銀行の合併の効力が発生した日付の時価としていたのを、持ち株会社の合併の効力が発生した日付の時価に変更した、というふうに読み取れます。これはどう考えても、「間違えていたので正しい方向へ修正した」ということでなければ理屈が合いません。それ以外の説明は不可能です。ということは、連結上、子会社の合併時点で取得原価を付け替えたのは誤りで、親会社の合併時点で付け替えるべきであった、と言えねばなりません。

今日はこれで時間切れとなりましたので(何の時間だ?)、続きはまた後日とします。それでは。

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