2008年9月27日土曜日

業績が悪くなると何が起こるか

会社の業績が悪くなると、経営者には、いろいろな負のインセンティブが芽生えます。このことは、ちょっと想像すればわかると思います。人間は、自分が不利な状況に置かれたとき、その状況から何とかして脱しようとするわけですが、そのとき、必ずしも正当な手段だけを用いるとは限らないわけです。それが人間というものです。

まさに、子供の嘘のようなものです。まともに財務諸表を作ったら、だれの目にもひどい状態なのが明らかになってしまう。倒産するんじゃないか、と思われたら終わりだ。だったら、この状況を隠してしまえばいい。そのうち回復するから、そのときまで持ちこたえれば大丈夫だ。おそらくそんな発想でしょう。

ちなみに、最近、世間は内部統制で喧しいわけですが、おそらく、重箱の隅をつつくようにリスクポイントを論っている会社もあるのではないかと思います。そんなのはナンセンスです。最も厳しい統制下におかなくてはならないのは、経営者であることは、上のような話をすればすぐにわかるはずなのですが。まあ、この話は、また日を改めてやることにしましょう。

閑話休題。
問題は、そういう状況で粉飾があったとき、監査人は何をしていたか、です。表向きは無風の会社が突然倒産し、蓋を開けてみたら実は債務超過だった、なんてこともあるわけです。ホントに、一体何やってたんでしょうね。本当に、見逃していたんでしょうか。そうは思いたくないのですが。

2008年9月23日火曜日

会社が倒産すると。。。(その2)

「会計士が監査してるのに、なぜ倒産するんだ?」

この疑問は、全くの誤解です。会社が倒産しないような経営を執行する責任は、経営者にあります。監査人が、会社が倒産しないように知恵を絞らなきゃいけない道理は、どこにもありません。

じゃあ監査人は、何やってんだ?という話になるわけです。監査人は、ひたすら会計処理の正しさだけを判定します。会計処理が正しければ、その会社が倒産しそうでも違法行為をしていても、適正、ということになります。

こういう説明をして、果たしてどれだけの人が納得してくれるでしょうか。「監査ってあんまり意味がないね」と言われるのが関の山、という気もしないでもありません。

なぜ、「あんまり意味ないね」となってしまうのでしょう。なぜ、実際には無関係な「会社の倒産」と「会計処理」が結び付けられてしまうのでしょう。
それは、会社が倒産する間際は、粉飾が行われていることが常であったし、今もそうだ、という印象が強いからでしょう。実際には、倒産した会社の全部が粉飾していたかと言われれば、答えはNoなのですが、何せインパクトが強いですから、そういう印象になってしまうのも仕方ありません。

ここから、倒産時に粉飾が行われていた場合だけに話を絞ってみたいと思います。それでは次回まで。

2008年9月17日水曜日

会社が倒産すると。。。(その1)

リーマン・ブラザースが破産法を申請した、というニュースが駆け巡りました。続いて同社日本法人も、民事再生手続の申し立てを行ったようです。本国の会社の行く末はともかくとして、日本法人は営業を続ける意思があるということですね。

ところで、こういう事件があると、最近は誰からともなく、「どこが監査してたの?」「会計士は何を見てたの?」という話題が出るようになりました。こういう話題が出るようになっただけマシ、という見方もありますが、どうもなんとなく、監査人が企業倒産の共犯者扱いされているようなフシが見受けられます。

以前から私は、こういう感覚に、かなり違和感を感じてきました。会社を生かすも殺すも、その点に関しては専ら経営者の責任だろう、と思うのですが、なぜ、また、いつごろから、そんな風潮になってしまったのでしょう? もっとも、監査人自ら、倒産に居合わせたくない、つまり、倒産直前の監査報告書にサインしたくない、と、100人が100人とも思っていることでしょうから、仕方ないといえば仕方ないのかもしれません。

次回は、このからくりを紐解いてみることにしましょう。

2008年9月15日月曜日

会計に厳しい世の中

会計に携わる人間にとって、現代は本当に生きにくい世の中になってしまいました。なぜこんなふうになってしまったんでしょう。この閉塞感は一体何なのでしょう。
とはいえ、こうやって嘆いたところで、昔はよかったなあと感慨に耽ったところで、この閉塞感がなくなるわけではありません。前向きに捉えていきましょう。そうしないと、生きにくいままの世の中ですから。
ただし、常に疑問を持ち続けることが大切ではないかと思うのです。やれ、と命ぜられたことを盲目的にやるのは、私の性に合いません。
のっけからなんという暗い雰囲気なのでしょう。このブログ、先が思いやられますね。

2008年9月14日日曜日

よろしくお願いします

最近遅ればせながら、会計や監査、内部統制という点で、いろいろと考えることが多くなってきました。これから、その内容を少しずつ書いてみようと思います。たまに脱線することがあると思いますが、ご容赦願います。