2009年9月8日火曜日

Jコスト論

☆☆☆

在庫を減らすと利益が減ることがある(とりわけ製造業では、製造間接費が一定であるならば、必ず利益が減る)という状況から、経営者は在庫が増えるような意思決定をしがちだ、というのは、教科書の中だけの話だと思っていました。ところが私の勤め先でも同じような状況が起こりつつあります。どういう方向へ話を持っていけばいいのかと思っているところで、たまたま読んだ本が「トヨタ式カイゼンの会計学」という本でした。

この本で解説されているのが「Jコスト」というものです。「Jコスト」の「J」は「時間(JIKAN)」の頭文字だそうです。著者の主張は、通常の財務会計の考え方には時間の概念がない、ということで、要するに在庫を一定期間持ち続けることで付随的に発生するコストやリスクを、今の会計学では表現できない、だからここに時間の概念を取り入れた「Jコスト」を導入べきだ、というものです。

例えば100個×@1万円=100万円の在庫を1ヶ月間保有することで付随的に発生するコストはなんだろうかと考えます。自社倉庫なら、減価償却費程度でしょう。でも実際には、日々の入出庫管理や実地棚卸をやったりする労力が馬鹿にならないものです。それじゃってんで保管料を払って荷役を全部アウトソーシングすれば、人件費を払うのに比べれば安いもんだ、というような感覚でしょうか。

ところがどっこいそれだけではない。在庫を1ヶ月寝かせるということで、得られるはずの売上は何ぼやったん?という考え方があります。いわゆる機会費用というヤツです。例えばこの在庫の平均的な回転期間が半月だとした場合、在庫の残高が100万円(100個)なら、売上は月商で200万円あるはずですね。そうすると、この在庫を1個1日寝かせると、どのくらいの機会費用となるかを計算すると、

200万円÷100個÷30日≒667円・日

となります。この、円・日という単位が、コスト計算で時間の概念を取り入れた証だというわけです。

で、今度は逆に、この在庫100個を1ヶ月寝かせたらいくらのコストになるかを計算すると、

667円×100個×30日=200万円

のコストが生じている、ということになるわけです。この本では、例えば50個がすでに出荷できる状態であったとして、あと50個トラックに詰めるからあと一日待ってから出荷する、というような状況が、果たしてコストに見合ってるのか、というようなたとえ話で、財務会計とJコストとの違いを解説しています。

確かにこのような指標を導入することは、一定の効果があるでしょう。しかし、、制度会計における利益が増加しなければ、このような指標の導入には意味がありません。この点、この本は、こういった言葉を強調しています。

「本流トヨタ方式の要諦は、自働化を徹底し、ジャスト・インタイムを追求することにある。そうすれば収益はあとからついてくる」

悲しいかな、この本は、「収益はあとからついてくる」という部分の説明がありません。ここを説明しないと現場への導入は難しいでしょう。さて。。。

☆☆☆

1 件のコメント:

税理士検索サイト匠TAX さんのコメント...

突然のご連絡失礼致します。
当方は全国の税理士事務所検索サイト「匠TAX」というサイトを近日公開を
予定しておりまして、現在、日本全国の税理士事務所さまに招待状を差し上げております。

当サイトは税理士事務所を運営されている方であれば、ご登録は無料となっており、
税理士事務所を探している方々が当サイトへ訪れますので、無料でPRが可能となっております。

---------------------------------------------------------------
【匠TAX】
http://www.takumitax.net/

※現在プレオープン中ですが、審査が完了した税理士事務所がすでに反映されています。
既に約500店舗様のご登録申請を頂いております。
ありそうでなかった税理士事務所が検索できるサイトですので、
早くも各所からご反響を頂いております。

サイトOPEN時には、プレスリリースなどの告知を予定しておりまして、
その際、ご登録頂いている店舗様も多くのアクセスが見込めますので、
是非サイトオープン前のご登録をご検討下さい。
---------------------------------------------------------------

当サイトにご登録頂きますと、専用の管理画面が発行され、管理画面
上から、お知らせやクーポン、店舗情報など好きな時に更新が可能と
なっております。

下記URLから【無料登録】が可能となっております。

-------------------------------------
無料登録フォーム
http://www.takumitax.net/shop/shop_reg
-------------------------------------

公開までに約2000店舗さままでのご参加(登録審査)を
させて頂いております。その後も随時、ご登録を募らせて頂く予定では
ございますが、プレオープン中は、1営業~2営業日中に審査を行っておりますので
ぜひ、この機会にご参加頂ければ幸いでございます。


<補足>
==========================================================================
当方は店舗型のポータルサイト作成のプロ集団でして、過去に作成したサイト
では「テニスコート」http://www.tenniscourt.jp/  というサイトがございます。
※約4000件のテニスコートが登録されています。
 月間で50万PV程のアクセスがあります。

(今回ご紹介させて頂いた「匠TAX」はこの「テニスコート」の税理士事務所版です)
==========================================================================

[運営元]
株式会社アーディット

[URL]
http://www.addit.co.jp/